ディンプルで空気の流れを操る!
ボールを飛ばす三大要素と呼ばれているのが、初速・打ち出し角・スピン量です。この中でディンプルがかかわってくるのがスピン量の項目。
単純に初速アップさせれば当然遠くへ飛ばすことが出来ますが、これは規則によって制限されていますので、今はスピン量を制御してやることでより遠くへ球を飛ばそうとしています。
ゴルフボールはショットされると回転をしながら空気を引き裂いて飛んでいきます。この時に上方向に揚力が発生し、球の落下を防いでいます。と同時に、ボールの側面を流れて後方に行った空気はボールの表面から剥離されます。
この時に、ボールの後方が真空に近い状態になり後ろに戻そうとする力が発生します!これが強ければ強いほど後ろに引き戻されて飛ばなくなります!
つまり、この力をいかに弱くしてやるか?ということが空力における課題になってきます。ディンプルがあることによって、空気の流れが急にボール表面からはがれて、真空に近い状態になるのを防ぎます。滑らかに空気がはがれるというんですかね。
つまりディンプルがあることによって、後ろに引き戻される力が弱くなるので飛ぶ!ということです。じっくりと見てみるとディンプルにもいろんな形があるのが分かるので、一度見てみると面白いかもしれませんね。
で、ここで一つ気を付けてほしいことが、ディンプルに傷が入るとそれだけでも結構飛びに影響するので気を付けてね!ということ。傷がいっぱいついているボールでは、設計意図通りの空気の流れにならないので、滞空時間や空気抵抗に差が出てきます。ほんのちょっととかならそこまで変わらないと思いますが、大きな傷があるのにそのまま使い続けていると目にわかるほど影響してきますので、出来るだけこまめに交換することをお勧めします!
ディンプルの設計は一筋縄ではいかない!
ゴルフボールはどれも似たような形状ですし、そんなにかわらないだろ!と素人考えに思えてしまいますが、これは相当開発に苦労するだろうなぁということは想像に難くないです。
だってですね、ボールの初速はアマチュアのうまい人や女子プロで60m/sくらいです。時速換算で216km/hです!アマチュアでもスーパーカー並みの速度で球を打ち出すことになります。これが一分間に3000回転とかして飛んでいくわけですよ。
ましてや男子プロになったら速い人だと初速で80m/sとかでるので、時速は約290km/h!!新幹線の最高速に匹敵します。新幹線や車や飛行機などは、流線形の形にすることも自由ですが、ボールは完全に球体と決まっているので出来ることは限られます!
その中でこの速度で飛んで、遠くへ飛ばすように設計するのはなかなか難しいのではと思います。いまでこそ、CAE解析などが進んでいますので、何度もトライアンドエラーで形状の絞り込みなどが出来ると思ますが、昔はさぞかし大変だったろうなと(笑)
試作品を何パターンか作って、試打マシーンかあるいは試打職人の方が打ってどれだけ飛んだって測定したりとか、空気が見えるように線香を流しながら風洞で実験してたのかなぁとか色々想像しちゃいますw
ちょっと話がゴルフとは離れましたが、日々設計している人たちがいるおかげで、我々が心の底からゴルフを楽しむことが出来るのだなと思います。感謝感激です!!
それでは、今日はここまでです!アデュー!
もっとゴルフ好きを増やしたいあなたと同じです!応援お願いいたします。
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